がん患者さんと家族のためのWEBサイト

がん患者さんの口内炎対策で開発された滲みない洗口液のこと

つい最近のことです。オーラルケアやスキンケア、健康食品などヘルスケア関連ビジネスに取り組む企業のリテール担当者にお会いする機会がありました。同社は、1932年に自転車部品やパンク修理用ゴム糊の製造販売業として起業し、創設91年後の今、オーラルケア、ヘルス&ビューティを中心としたグルーバルとして活動しています。 同社は起業後、ゴム糊を入れたチューブ容器の製造技術を応用し、さらに粉状の歯磨剤が主流だった1946年に、チューブ容器入りの練歯磨剤を開発・発売し、現在の事業に結びついているそうです。

同社とのそもそもの出会いは、『週刊がん もっといい日』の前身、雑誌『月刊がん もっといい日』の取材がきっかけでしたから、かなり古い話ではあります。静岡県立がんセンターの総長を取材した際に、同センターに所属し患者宅を訪問していた歯科医のことを教えていただきました。即連絡してインタビューをさせていただいたところ、こんな話を聞くことができました。

「がんに罹患した患者さんが、抗がん剤の副作用で口腔内にたくさんの口内炎が出て、歯を磨くことも、洗口液でうがいをすることもできない現実に遭遇し、どうしたら良いか考えた結果、口腔ケア製品を製造する企業に対応製品の開発を直訴した」そうです。

その企業では、歯科医の申し入れに耳を傾け、やがて口内炎の痛みに対応できる洗口液が開発されました。この様な情報が医学ジャーリストの耳に入り、東京で当時の社長と歯科医師によるセミナーで、開発ストーリーなどが披露されました。

この商品に関わる臨床データは、その後、日本薬剤師会学術大会の展示会で公開されていましたが、詳細については歯科医が亡くなられたこともあって取材する機会を逸してしまいました。私自身、口内炎になりやすい体質なのか、食事をするときも水を飲むときも痛くて困ったことは再三。そこで、町の薬局・薬剤師に聞いたところ「口内炎の相談が多い」ことを聞かされました。

 前置きが長くなりましたが、口内炎ができていて辛い日々を過ごしている時に、たまたまある展示会で、同社の担当者にお会いし口内炎対策製品のことを尋ねたところ、「まだ存在する」とのことでした。近いうちに取材を考えていますが、取材が実現したら、『週刊がん もっといい日』で、どのような製品なのかご紹介したいと考えています。
愛読者の皆さまは、口内炎対策はどのようにされていますか?
さて今週もまた、皆さまとって「もっといい日」でありますように…。
『週刊がん もっといい日』編集長 山本武道

PAGE TOP