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化粧品にマイクロニードル製剤を応用し商品化したコスメディ製薬

 1月11日から13日まで、東京ビッグサイトで開催された国際化粧品展を取材しました。多くの関係者が来場し賑わっていましたが、ビジネスフェアということで一般の方が入場することはできませんでしたので、『週刊がん もっといい日』編集部が取材中で見つけたユニークな化粧品の開発企業を紹介しましょう。

 近年の展示会は、会場が広く3日間では、すべての展示ブースを見て回ることが出来ませんが、これまでの取材経験から、あるブースを通り過ぎようとした際に、磁石に引き寄せられるように後戻りしてしまい取材をさせていただくことが時折、あります。京都に本社を構える2001年5月に設立されたコスメディ製薬が、その一つです。コロナ禍以前の展示会で同社と出会い取材をするようになり、京都にも再三でかけ、当時の社長だった工学博士の神山文男さん(現取締役会長)と開発に携わった権 英淑さん(現代表取締役社長)から開発ストーリをお聞きしました。

 同社は医薬品や化粧品、医療機器などの研究・開発に携わり、とくに経皮吸収分野に特化した企業ですが、私が関心を持ったのがマイクロニードル製剤でした。数百ミクロンの微細針の表面や針内に薬物を含有させ、皮膚に適用した薬物を体内に導入する新しい技術を化粧品に応用しました。ヒアルロン酸を、ミクロン単位の超微細な針状に結晶化させることで、肌の奥まで成分を直接届け内側からケアする商品が市販されています。

賑うコスメディ製薬の展示ブース(国際化粧品展から)

 天然オイルをゲル化して素肌に潤いを密閉するオイルジェルパック、見えない極薄美容シートが24時間肌をカバーするスキンケアシート、とろけてなくなる100%美容パックなど、そして育毛剤にも応用された商品がフェアで展示されていました。

 同社とはコロナの発生によって取材は疎遠になっていまいしたが、久しぶりにアイデア商品がいくつも登場していましたので、近いうちにアポを取り京都に行きたい思った次第です。

 ちなみに私は、お二人にお会いした際に「私は子供の頃から注射が嫌いでしたから、刺すときに、チクっとしない注射を開発してほしい」とお話ししたことを思い出します。コロナやインフルエンザといったワクチンの予防注射にも、マイクロニードル製剤を応用し製品化してほしいと今でも願っています。そんな注射針が開発されたら、大人はもちろんのこと、子供たちにとって朗報に違いありません。(レポート:取材と文・山本武道)

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