「病気の子どもと家族が一緒に安心して過ごせる場所。限られた時間であっても、それが永遠に輝く思い出になるような、そんな場所になりたい」
2021年11月に開所した『横浜こどもホスピス うみとそらのおうち』を訪問
「この瞬間を笑顔に!みんなで支えて叶えたい」-こんな思いで誕生したこどもホスピスを訪問しました。東京駅から約50分、JRに乗り品川で京急に乗り換え金沢八景で下車。徒歩で15分の地に、2021年11月に開所したのが認定NPO法人横浜こどもホスピスプロジェクトが運営する『横浜こどもホスピス うみとそらのおうち』です。いただいた資料の冒頭には、次のようなメッセージが綴られていました。
「ホスピスと言うと、がん患者さんの病院、というイメージを持つ人もいるかもしれません。こどもホスピスは違います。病院ではなく、ゆったりと自由に過ごせる“おうち”です。
重い病気をかかえ入退院を繰り返す子どもたちは、健康な子どもたちが当たり前に楽しんでいることを、同じように楽しむことができません。
でも、子どもはいつだって遊びたいし楽しみたい!学びや遊びや、人との関わりを通して、夢を育み成長するのです。だから、『横浜こどもホスピス〜うみとそらのおうち』がめざすのは、病気とともにある子どもと家族が一緒に安心して過ごせる場所。限られた時間であっても、それが永遠に輝く思い出になるような、そんな場所になりたいと思っています。
どんなに重い病気や障害のある子どもは、一人の“人”として大切にされ、家族の絆、地域のつながりのもとで、それぞれが持って生まれた“いのち”の可能性を発揮できるように。私たちは、どんな時も、その瞬間の笑顔を最大限に輝かせられるように、全力で支えます」を法人の理念として活動しています」
患者さんの笑顔は、ご両親をはじめご家族の方々にとって何にも替えがたい素晴らしい宝物です。私自身も、がんで亡くなった両親からもらったたくさんの笑顔は、今もなお忘れられません。子供の時に買ってもらった布製のグローブ、餅がのどに使えた時、けがをした時、試験で100点を取った時、家族旅行をした時、結婚して子供が生まれた時の笑顔・・・走馬灯のごとく瞼に蘇ってきます。
『うみとそらのおうち』は、とても暖かい“ひだまり”に包まれていました。建物から見渡せる川では、ハゼやアジが釣れるそうです。そんな環境で育まれた子どもさんとご両親、そしてスタッフとの触れ合いができる、こうした子供ホスピスは今大阪と横浜の2か所。もっと多くの子供ホスピスの誕生が望まれます。『うみとそらのおうち』の訪問レポートと快く取材に対応してくださった代表理事の田川尚登さんのインタビューは次号(9月22日)に掲載いたします。
田川さんは、愛する6歳の娘さんを亡くしました。娘さんとの思い出を語る「はるかの生きてきた意味」が、https://childrenshospice.yokohama/about/index.html に掲載されています。ぜひ、ご覧ください。『週刊がん もっといい日』を見てくださる皆さま、『横浜こどもホスピスうみみとそらのおうち』 https://childrenshospice.yokohama/index.html へのご支援をお願いいたします。 『週刊がん もっといい日』山本武道)