がん患者さんと家族のためのWEBサイト

改めてがん対策で重要なことは三つの予防(病気にならない、早期発見・早期治療、再発を防ぐ)を心がけることです

 2023年度の概算医療費は47兆3000億円―厚生労働省によれば、国民総医療費は前年同期比+2.9%、1兆3000億円の増額です。伸び率では2022年度が前年度同期比+4.6%、2023年度同+4%と、ややダウンしたものの3年連続でアップしています。
 『週刊がん もっといい日』が呼びかけてきたことは、世界に冠たる国民皆保険制度を維持していくためにも、日頃から自らが自らの体をチェックするセルフケアが必要ですが、このことは企業に働くスタッフも同様です。近年では、企業が自社に働くスタッフの健康管理をサポートする「健康経営」に力を注ぐ時代が到来しました。
 「健康経営」とは、従業員などの健康管理を経営的な視点で考え戦略的に実践することです。企業理念に基づき、従業員などへの健康投資を行うことは、従業員の活力向上や生産性の向上等の組織の活性化をもたらし、結果的に業績向上や株価向上につながると期待されており、日本再興戦略、未来投資戦略に位置づけられた「国民の健康寿命の延伸」に関する取り組みの一つです。
 例えばドラッグストアでも「健康経営」への取り組みを始めています。全国に3400店舗超のドラッグストア・調剤薬局を展開するマツキヨココカラ&カンパニーは、サステナブル(持続可能)経営を実践し、KPI(重要な成果指標)と5つの重要課題(従業員の成長・地球の健康を考える・地域生活を支える医療を考える・お客様の美と健康を考える・ガバナンス=コンプライアンスの充実)を掲げ、従業員にとって働きやすくやりがいのある職場環境の 整備に取り組んできたことが評価され、経済産業省と日本健康会議が共同で進める「健康経営優良法人2024」に認定されました。
 多くの企業が「健康経営」に取り組み、自社に働くスタッフへの健康投資により、組織の活性化と生産性の向上、企業の成長ポテンシャルの向上、優秀な人財の獲得と定着など、社会にもたらす効果として国民の健康増進、持続可能な社会保障制度構築への貢献、経済成長といったメリットが期待されています。
 「健康経営」は、むろん企業だけでなく国民一人ひとりが自らの健康管理(セルフケア・ヘルスケア)に留意しなければなりません。『週刊がん もっといい日』では、これからも日常生活における予防活動の重要性を呼びかけていきます。疾病にかからないように一次予防=食事・運動・ストレス解消の実践、二次予防=定期的な早期発見(リスク検査)と早期治療、そして三次予防=疾病が再発しないようにする「三つの予防」を心がけましょう。
 さて今週もまた、皆さまにとって今週が「もっといい日」でありますように…。
                『週刊がん もっといい日』編集長 山本武道

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