アストラゼネカ、過去10年以内に卵巣がんと診断された20代以上の患者さん対象にペイシェントジャーニーにおけるアンメットアーニー調査で判明
アストラゼネカ株式会社は、過去10年以内に卵巣がんと診断された20代以上の卵巣がん患者さん119名を対象として、卵巣がん患者さんのペイシェントジャーニーにおけるアンメットニーズの把握を目的に卵巣がんに関するWEBアンケート調査を実施し、再発経験者は卵巣がん患者さんの44%が「がんの診断を受けた時以上に再発時のショックが大きかった」と回答。卵巣がんの早期診断に向けた課題や再発が患者さんに与える精神的負担の大きさに加えて、治療による見た目の変化が卵巣がん患者さんの日常生活に与える影響の大きさが明らかになりました。そこで以下に、同社が実施した調査結果の概要を紹介しましょう。
「卵巣がんは一般的な婦人科がんの一つであり、日本においては毎年約13,000人の方が新たに卵巣がんと診断されています。卵巣がんは予後が不良であり、50〜70%の患者さんが5年以内に亡くなる死亡率の高いがんです。 初期の卵巣がんは自覚症状が表れにくく、診断された時には既にがんが進行していることも少なくありません。乳がんや子宮頸がんは早期発見に繋がる検診が確立しているのに対し、卵巣がんにおいては有効な検診が確立していないことも、早期発見を難しくしている要因と考えられています」(アストラゼネカ)
<医療機関を受診したきっかけと症状>
卵巣がんの診断に繋がった受診のきっかけとして「お腹がはる、痛みなどの症状がでた」(45%)、「健康診断で異常が見つかった」(23%)、「婦人科系疾患の経過観察中に異常が見つかった」(19%)となっており、受診のきっかけとなった主な症状は、「おなかが張る」(54%)、「下腹部の痛み」(50%)、「トイレが近い」(33%)といった日常生活に多くみられる症状が挙げられました。(下表参照)
<何らかの異常が見つかったもしくは自覚症状が生じてから婦人科を受診するまでの期間及び半月以上かかった理由>
何らかの自覚症状または健康診断で異常が見つかってから婦人科を受診するまでの期間としては、64%が半月以上かかったと回答。その理由としては、「卵巣がんの知識が無く、婦人科を受診する考えに至らなかった」(37%)が最も多く、「婦人科を受診した経験が少なく、抵抗があった」(22%)、「内診を受けるのに抵抗があった」(13%)と、婦人科受診への抵抗を示す回答もみられました。
このような結果から、多くの患者さんが自覚症状を生じた後も、受診/診断を先延ばしにしてしまっていたことが伺えます。(下参照)
<卵巣がんの知識:診断前との知識量の差/知識を持つことのメリット>
卵巣がんの知識において、診断前との知識量の差や知識を持つことのメリットに関する質問では、全体の90%が「診断前と現在で知識量に差がある(かなり差がある/差がある/少し差がある)」と回答し、診断前に卵巣がんについてより多くの知識を持っていたとしたら、「もっと早い受診につながる」あるいは「医師の説明をより理解できる」と感じた方がいずれも49%と最も多く挙げられました。
これらの結果から、一般女性における卵巣がんの認知度を高めることで卵巣がんの早期診断に寄与することが期待できるとともに、診断前から疾患に関する知識を持つことは卵巣がん治療に対する理解をより深めることにもつながる可能性が示唆されました。(下表参照)
<再発を告知された時の気持ち>
再発を告知された時の気持ちとしては、「もう治らないかも知れないと感じて卵巣がんの診断を受けたとき以上にショックだった」と、がんの診断を受けた時よりもショックが大きかったと回答した人が44%おり、再発が患者さんに与える精神的な負担の大きさが示唆されました。(下表参照)
<がんなったことによる日常生活の変化>
がんの診断を受け、がんになって日常生活に生じた変化としては、「治療の影響(脱毛など)から、お洒落を楽しめなくなった」と回答した方が最も多く(31%)、次いで「仕事が以前のようにできなくなった」(25%)、「外出するのが億劫になった」(25%)といった回答が挙げられ、患者さんが外見の変化に対応し、社会生活を送りやすくなるための支援であるアピアランスケアの重要性が示唆された結果となりました。(下表参照)
アストラゼネカ執行役員でオンコロジー事業本部長の森田慎一郎長さんは、次のように述べています。
「調査結果から、卵巣がんの知識が無かったことや、婦人科受診に対する抵抗感が、診断の遅れに繋がっていることが示唆されました。また、再発を経験した患者さんにおいて、卵巣がん患者さんの44%ががんの診断を受けた時以上に再発時のショックが大きかったと回答したことからも、患者さんの早期診断及び早期治療を目指すべく、疾患啓発活動及び治療に関する適切な情報提供にさらに注力してまいります。
アストラゼネカは、“患者さんを第一に考える”を企業バリューのひとつとして、患者さんを中心とした治療支援等の推進に取り組んでいます。患者さんの治療へのモチベーションやQOLといった観点から、薬剤の適正使用に関する情報提供だけでなく、ペイシェントジャーニー全体におけるアンメットニーズの解決に対して取り組んでまいります。疾患啓発においては、Webサイト『卵巣がん.jp』及び『わかる卵巣がん』LINEアカウントを通じて患者さんやそのご家族と一般向けに情報発信を行っております」
■調査概要
◇調査目的:卵巣がん患者さんのペイシェントジャーニーにおけるアンメットニーズの把握
◇調査対象:10年以内に「卵巣がん」と診断された20代以上の女性:119名
◇調査方法:Webアンケート調査
◇調査期間:2022年9月20日~9月25日
◇調査機関:株式会社メディリード
◇調査結果の詳細:https://www.astrazeneca.co.jp/content/dam/az-jp/press-releases/pdf/20230524.pdf
【疾患啓発ウェブサイト『卵巣がん.jp』】
●インターネットで情報収集をされる方がアクセスしやすい
●治療や療養生活に役立つ幅広い情報:卵巣がんの特徴や基本的な治療などを解説/患者さんが抱きやすい疑問についてQ&A形式で解説/アピアランスケアに関する記事など治療以外のお役立ちコンテンツを多数掲載
●利用方法:https://www.ransogan.jp/からアクセスしてください
【『わかる卵巣がん』LINEアカウント】
※LINEアカウントをインストールの上、友だち登録してご利用ください
●日々LINEを活用されている方がアクセスしやすい
●治療や療養生活に役立つ幅広い情報:卵巣がんの特徴や基本的な治療などを解説/患者さんが抱きやすい疑問についてQ&A形式で解説/様々な年代、家族構成の患者さんの体験談を掲載
※下記URLリンクまたは二次元コードを読み取って友だち登録してください。https://line.me/R/ti/p/%40542vzggm
がん経験者専用保険を提供するMICIN少額短期保険とマインドフルネスのプラットフォーム『MELON(メロン)』がコラボレーションし保険加入者の『MELONオンライン』優待利用が可能に
MICIN少額短期保険株式会社とマインドフルネスのプラットフォーム『MELON(メロン)』を運営する株式会社Melonが協業し、5月10日からMICIN少額短期保険の保険加入者の『MELONオンライン』の優待利用が可能になりました。
取り組みの背景について、MELONは“最高のすっきりに出会おう”をスローガンに、科学的なアプローチに基づいたマインドフルネスを実践することを通じ、1人でも多くの人が幸せに生きることができる社会を目指しており、一方、MICIN少額短期保険は、「がん経験者が治療中から経済的な備えを持てるような保険を提供しており、そのなかで保険にご加入のお客さまから、経済的な不安のみならず、心身の不調や、再発に関する不安などのお気持ちを多く伺っています。
がん経験者のメンタルケアについては以前から認知行動療法の研究が進んでおり、近年では、オンラインのマインドフルネスの有効性も報告されています」としています。
こうした状況を踏まえ、「我々は科学や医療、テクノロジーの知見を活用したより良いサービスの追求に真摯に取り組む仲間として、マインドフルネスをキーにしたコラボレーションに取り組んで行こうと考えました」(両社)
◆がん経験者の声に応えるがん経験者専用保険
一度がんになると、今までの保険にはなかなか入れませんでした。でも、本当はそんな時こそ安心できるサポートが必要だから。MICIN少額短期保険は、がん経験者が治療中から経済的な備えを持てるような保険を提供しています。
◆累計30万人以上が利用するライブ形式のマインドフルネスサービス「MELONオンライン」
MELONは、マインドフルネスを手軽に継続するためのオンラインサービス「MELONオンライン」を提供しています。専門のインストラクターによるライブ形式のクラスで行い、マインドフルネスを楽しく継続できる仕組みを構築しています。
「今回の協業によって、身体的、精神的な不調を改善する効果のあるマインドフルネスを、より多くの方に実践していただく機会をご提供します。MICIN少額短期保険の保険にご加入いただいている方限定で、マインドフルネスのプログラムをオンラインで受講できる『MELONオンライン』を優待価格でご利用いただけます。(※詳細は、ご契約者さまへご案内いたします)。
月300以上のクラスにお好きな時間に参加することが可能で、予約は不要です。初心者から上級者まで豊富なプログラムラインアップを用意しております」(MELON)
<MICIN少額短期保険の概要>
医療の進化により見つかる病気や治せる病気が増える中、医療×テクノロジーの強みを活かし、これまでなかった「本当に必要な時に入ることができ、本当に必要な保障を受けられる」保険サービスの開発・提供を目指し、2021年7月に医療ベンチャー企業、株式会社MICINの子会社として開業しました。
2021年8月、第一弾の保険商品として、女性特有がん(乳がん・子宮頸がん・子宮体がん・卵巣がん)に罹患された方が再発や新たながんに備えるための保険(女性特有がん経験者専用がん保険)の販売を、2022年8月、経験したがんの種類やステージに制約がない、がん経験者向け入院保障保険の販売を開始しました。URL:https://micin-insurance.jp/
笹本晃成代表取締役のメッセージ:現在弊社は、がんを経験された方向けの保険を提供しております。ご加入者様は、身体的・経済的な不安だけでなく、精神的な不安を抱えられている方が多数いらっしゃいます。「少しでもご加入者の皆さまにお役に立てることはないか」QOLの改善につながるプログラムやサービスを提供できないか」と、常に検討を重ねてきた中、この度のコラボレーションが実現しました。
このコラボレーションで実現させたい「一人ひとりが幸せに生きる、そのための選択肢を増やす」は、弊社とMelon社が目指すビジョンそのものです。今回の協業により、一人でも多くの方が、より自分らしい生き方を選択できるサポートができることを願っています」
<Melonの概要>
日本中に “メディテーションする場” をつくり、マインドフルネス・カルチャーを広め、日本・世界のウェルビーイングを向上させることをミッションとして活動しています。米国の大学や研究機関で効果が認められたエビデンスをベースに、初心者にも取り組みやすく、継続しやすい、科学的なアプローチに基づいたマインドフルネス・プログラムを開発し、個人・法人のお客様に提供しています。
橋本大佑代表取締役CEOのメッセージ:今回、MICIN少額短期保険様と協業できたことを大変嬉しく思います。メンタルヘルスは「人がその人らしく生きる」ために欠かせない要素です。しかし、現代社会において精神的な健康を保ち続けることは大変難しくなっています。この課題解決策として注目を集めているのが、マインドフルネスです。
医療の分野では『マインドフルネスストレス低減法(Mindfulness-Based Stress Reduction, MBSR)』として、不安やうつ症状の改善のためにも使われています。今回の協業により、がんを経験してさまざまな不安を抱える方に、気軽にプログラムに参加いただける機会を提供できるようになりました。マインドフルネスを通じて、一人でも多くの人が幸せに生きることができる社会を目指していきます」
NPO法人女性医療ネットワークマンマチアー委員会、6月19日の第151回開催テーマは『乳がんと子宮がん検診』
NPO法人女性医療ネットワークマンマチアー(Mamma Cheer)委員会の151回目となる6月のマンマチアーは、19日に5大がん検診に入っている女性のがん『乳がんと子宮がん検診」について取り上げます。
講師は、3月まで日本対がん協会のがん検診研究グループで活動していた一般社団法人日本がんバイオマーカー研究ネットワークの小西宏代表(元日本対がん協会がん検診研究グループ プロジェクトディレクター)。
「対がん協会での活動体験を踏まえ、乳がん、子宮頸がん検診の現状の問題点から、未来までをお話いただきます。Zoom開催の申し込みは受け付け開始しています。申し込み方法は下記にあります。どうぞお早目に申し込みください。このメールへの返信では、申し込みできませんのでご注意ください」(女性医療ネットワークマンマチアー)
詳細は以下の通り。
■開催日時:2023年6月19日(月)18時半〜20時
■開催形式:ZOOMによるオンライン
■テーマ:『乳がん、子宮頸がん検診の現状と課題〜日本対がん協会での活動体験から今と未来を展望する』
■スピーカー:一般社団法人日本がんバイオマーカー研究ネットワーク小西宏代表(元日本対がん協会がん検診研究グループ プロジェクトディレクター)
■内容:公益社団法人日本対がん協会(https://www.jcancer.jp/ )は、1958年から60年以上に渡り、民間の立場で、がん征圧を目ざしてがん対策に取り組んでいます。「がんになっても希望をもって暮らせる社会」を目ざして、「がん予防・がん検診の推進」「がん患者・家族の支援」「がんの正しい知識の普及活動」の3本柱で活動し日本及び世界の福祉に寄与することを目的とした国内有数の公益社団法人です。
日本対がん協会に約13年在籍した小西宏さんが、対がん協会での活動を振り返りながら、子宮頸がん検診と乳がん検診を中心に、がん検診の未来を展望します。子宮頸がん検診でなかなか採用されないHPV検査(未受診者対策の自己採取含む)は今後どうなるのか?乳がん検診はマンモグラフィと超音波併用にいつになるのか?血液や尿などのリキッドバイオプシーでの検診はいつ頃導入される?メリット、デメリットは?自費でもやるべき?
また、市町村や保健所の検診担当者とたくさんやりとりしてきた小西さん。コロナ禍で自治体が行う対策型がん検診の受診率は落ち込んだとされていますが、受診率向上は期待できるのか? 精度管理は大丈夫なのか? 現場の生の声は? 検診受診率低下に伴って早期がんの発見が減り、進行がんの発見が増えているのか?など。最近押さえておくべきと言われている乳がん経験者の心疾患リスクについても触れていただきます。
乳がん患者の長期予後は大幅に改善したものの「心血管疾患による死亡はその他リスク因子の2倍以上」というデータもあります。盛りだくさんで、乳がん検診と子宮頸がん検診についての直近の未来を予言(?)していただきます。がん検診についての素朴な疑問についても事前質問でお受けして、お答えいただきます。貴重な回ですので、ぜひご参加ください。
■小西宏(こにしひろし)さん略歴
現一般社団法人日本がんバイオマーカー研究ネットワーク代表理事。有限会社AKヘルスデザイン ディレクター。東大大学院客員研究員(生物統計学分野)。関西大法学部卒、産経新聞社を経て朝日新聞社入社。大阪本社や西部本社の社会部記者、東京本社科学部記者、デスクなどを経て日本対がん協会へ。今年3月までがん検診研究グループプロジェクトディレクター。HPVワクチンの有効性、膵がんバイオマーカーや乳がんの早期発見をめざすマイクロRNAの研究などに携わった。
■参加費:無料(申込み先着200名)
■ZOOM参加申し込み方法:以下URLからお申込み下さい。開催前日までにZOOMのURLをお送りいたします。申込みURLは、https://mammacheer151.peatix.com/。
★このメールへの返信では、申し込みできませんのでご注意ください。
■当日のZoomURLなど詳細は、前日より申込んだPeatixページの「イベント視聴ページ」で確認できます。
なお当日までの各種ご案内はPeatixメール(@peatix.com)より配信されます。
●申込み時には、姓名(ニックネームではなく)での参加登録をお願いいたします
●後日の録画配信はありませんので、予めご承知おきください。
●今後の予定や開催方法はその都度、登録されている方はメールと、マンマチアーのFacebookなどで案内します。
●諸事情により、急遽変更があった場合、申し込み者の方にメールおよびFacebookにてご連絡させていただきます。
■企画協力:特定非営利活動法人子宮頸がんを考える市民の会(https://love49.org/)/認定NPO法人乳房健康研究会(https://breastcare.jp/ )/認定NPO法人J.POSH(https://www.j-posh.com/ )
●“チアー活動”は乳がんを体験した、していないにかかわらず、どなたでも参加できます。男性や学生さんの参加、応援も大歓迎です。
●「マンマチアー(Mamma Cheer)委員会」について
NPO法人女性医療ネットワーク「マンマチアー(Mamma Cheer)委員会」は、乳がんを体験し、NPO法人CNJ認定乳がん体験者コーディネーターである美容ジャーナリスト・山崎多賀子、女性医療ジャーナリスト・増田美加が主宰・企画しさまざまな活動を行っています。アドバイザーとして対馬ルリ子(対馬ルリ子女性ライフクリニック院長)、片岡明美(乳腺外科医)、2人の医師も加わっています。
●マンマチアー(http://cnet.gr.jp/)は、無料開催にあたりボランティアで行っております。
『週刊がん もっといい日』お薦めの書
今夏の猛暑を前に谷口英喜医師著『いのちを守る水分補給 熱中症・脱水症はこうして防ぐ』が6月27日に発売されます
健康書、医学・薬学書、実用書を発行する株式会社評言社は、今夏の猛暑を前にして、熱中症・脱水症を防ぐための水分補給に関する書『いのちを守る水分補給 熱中症・脱水症はこうして防ぐ』を6月27日から発売します。
著者は、経口補水療法分野で著名な谷口英喜さん(神奈川県済生会横浜市東部病院患者支援センター長麻酔科医師・医学博士)。夏期に多発する熱中症・脱水症の増加を前に、水分補給の専門家の著者が、正しい水分補給についてわかりやすく解説した書。谷口医師は、水分補給に関する知識や科学的根拠を学ぶ学問を「飲水学」と名付け、書では、病気・老化・肥満・肌の劣化などの予防に関する水分補給法も伝授しています。
ちなみに同書によれば、熱中症死亡者数は直近の5年間(2017年~2022年の6月~9月)累計が6,235人、前5年間(2012年~2016年同)累計3,626人の1.7倍(厚労省人口動態統計 2023年2月月報より)となっています。
<同書の内容>
■はじめに――水分管理は健康に直結する
私たちのからだの大部分を占めている物質が水分(体液)です。生まれたての赤ちゃんは体重の8割が水分で、年齢とともに水分量は減少して、乳幼児では7割に、成人では6割に、高齢者では5割にまで、そして死を迎える頃には3割にまで低下していきます。あたかも、人間の寿命が水分の量に依存するかのようでもあります。実は、からだの水分量が年齢相当に一定に保たれていて初めて健康なからだが維持できるのですが、水分が多すぎても少なすぎても生命活動に障害が生じます。
さて、この水分量を維持する方法が日頃の水分管理です。私たちは健康維持や生活習慣病の予防のために、食事に気をつけたり、栄養価の高い食材を食べたり、サプリメントを飲んだり、塩分やアルコールを控えたりしています。
しかし、飲水に関して気をつかっているでしょうか。どんな飲料を、どれくらいの量を、どのタイミングで摂取したらよいのか。それらを論理的にかつ科学的根拠に基づき学ぶ学問が“飲水学”です。「飲水学」は私が考案した名称で、本書を通じて初めて世の中に発信する言葉です。私たちのからだにとって、とても大事な知識でもあるにもかかわらず、これまで飲水学を学ぶ機会はありませんでした。
私は、現役の麻酔科医です。手術中の水分管理を日々実施しています。いつも感じることは、水分管理の奥深さです。どんな薬や栄養剤よりも、適切な水分管理を施すことで、患者さんが元気になっていく姿を目の当たりにしています。痛みだって吐き気だって、水分管理で軽減することができるのです。この水分管理の適切・不適切は生死にかかわるのです。
麻酔科医になって30年が経つ今だからこそ、日常生活でも、病気予防のときにでも、そして病気になったときにでも役に立つ水分補給方法、すなわち“飲水学”を本書で伝授します。状況に応じた適切な飲料の選び方・使い方を知れば、誰でも適切な水分補給が可能です。
さあ、一緒に老若男女を問わず、どんなときにでも役に立つ飲水学について学んでいきましょう。飲水学は、あなたの一生を変えるかも知れない、大切な知識・スキル・財産となることでしょう。
■各章の内容
第1章:誤まった水分補給をするとどうなるか?/第2章:水分補給を知るための基礎知識を学ぼう/第3章:健康を維持する水分補給のベストプラクティス/第4章:脱水症のことを知っておこう/第5章:脱水症・熱中症になったときの水分補給
■仕様:四六判並製・216ページ
■価格:1,540円(本体1,400円+税10%)
■株式会社評言社ホームページ: https://www.hyogensha.co.jp/