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自身の野球少年時代のこと、そして世界の王貞治さんのこと

世界一となった世界野球大会に続き、プロ野球が始まりました。毎年、ウキウキとしてテレビ中継で観ていますが、多くの子供達が大声をあげて応援している光景がテレビの画面に映るたびに、自身が熱い野球少年だったことを思い出します。

 古い話ではありますが、テレビはない時代。ラジオから流れる野球放送を聞き、自己流のスコアブックをつけて一喜一憂していました。大好きだったチームの選手は、今でも鮮明に覚えていますが、子どもの頃は、公園で三角ベースの野球をしていました。別にチームを組んでいたわけではありませんが、公園に行きさえすれば、いつでも仲間に入れてくれて楽しい日々でした。

そんなある日、母から買ってもらったグローブは革製ならぬ布製。それでも嬉しくて、毎日、グローブを磨き(拭いて)、寝る前には枕元に置き、朝起きれば食事の前にグローブを右手にはめてピッチングの練習をしたり…グローブは私の大切な宝物でした。

 後に私が出版社に入社してから、世界のホームラン王である王貞治さんの物語を本にする話があって、取材する機会がありました。たまたま中学生だった王さんの試合を見かけた現役のプロ野球選手が、右で打っていた王さんに「君は左で打ったほうがいいよ」とアドバイスをされたことがきっかけで左バッタ〜となったことを耳にしました。

高校野球で活躍し巨人軍に入団した王さんは、入団3年目に打撃コーチに就任した荒川博さんと再会しました。実は、この荒川コーチこそが「左バッターに」と勧めてくれたプロ野球選手だったのです。王さんは、別名“フラミング打法”とも呼ばれている一本足打法を習得し、ご承知のとおり引退までに868本のホームランを量産し世界一のホームラン王になりました。

ちなみに、王さんの物語は、『豪快野球で王道を往く』(実業之日本社)のタイトルで発行されました。868本ものホームランを打った王さんですが、オープン戦を含めれば、プロになってからの生涯本塁打は、おそらく1000本は超えているでしょう。

ところで王さんは2006年7月、福岡ソフトバンクホークスの監督時代に胃がんになり、胃の全摘手術を、お腹を切らない腹腔鏡下手術を受けました。王さんは現在、福岡ソフトバンクホークスの取締役会長ですが、ますますお元気でご活躍ください。
さて今週もまた、皆様にとって「もっといい日」でありますように…。
『週刊がん もっといい日』編集長 山本武道

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