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がん個別化治療啓発セミナーで家族ががん闘病経験を持つアキラ100%さんが、がん遺伝子検査について知識の重要性語る

バイエル薬品×キャンサーネットジャパンがオンラインで共催
 バイエル薬品と認定NPO法人キャンサーネットジャパン共催によるがん個別化治療啓発セミナー『みんなでみつける、一人ひとりにあわせたがん治療』がオンラインで開催され、がん薬物治療における国内のエキスパートで国立がん研究センター東病院の内藤陽一医師(総合内科 科長・腫瘍内科・先端医療内科)が、がん個別化医療の最新動向を解説する傍ら、家族ががんの闘病経験を持つお笑いタレント兼俳優のアキラ100%さんが登壇。がん遺伝子検査について「もっと早く知りたかった」と、知識の重要性を語りました。
 同セミナーは、2月の「希少がん啓発月間」に合わせて開催されたもので、2022年11月25日~30日に患者さん/ご家族のPrecision medicine、CGPに対する認識を把握することを目的としてバイエル薬品が実施したインターネット調査(実施機関:はインテージヘルスケア)によれば、がん患者さんのCTやMRIの検査の認知率が9割以上であるのに対して、がん遺伝子検査の内容を把握している人が2割未満にとどまっていることから、がんの個別化治療についてより多くの人に知っていただくことを目的に企画されました。
 当日の模様は、バイエルホールディングスのニュースリリースから要約してご紹介しましょう。
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 がん個別化治療啓発セミナーでは、国立がん研究センター東病院の内藤陽一医師による基調講演、がんサバイバー、小児がん患者さんの家族、家族ががん闘病経験を持つお笑いタレント兼俳優のアキラ100%さんが、それぞれの立場から考えるがん個別化治療について話し、247名が視聴しました。
 内藤医師は、基礎知識として様々なタイプの遺伝子変異が加わっていくことでがん細胞になることを説明し、一人ひとりの遺伝子に合わせた治療を行う、がんの個別化治療の重要性について詳述。がん個別化治療で用いられるがん遺伝子検査については、複数の発がん遺伝子をまとめて調べ治療に結びつけるという観点から、がん治療において有用な検査であることを解説しました。

 父親が肺がんの闘病経験を持つアキラ100%さんは、内藤医師とのトークセッションを通じ、父親の闘病経験について、「治療については、家族で調べてはいたが、積極的に治療について医師に相談するというよりは、状況をみながら、医師の提案どおりの治療を受けていた」と話し、司会者から、「もし、お父様の闘病時に個別化医療を知っていたらどう対応されたか」と聞かれると、「がん遺伝子検査を検討していたと思う。可能性があるなら、いろんな治療を検討した方が良いと思う」と回答。

国立がん研究センター東病院の内藤陽一医師(左)とトークセッションで話し合うお笑いタレント兼俳優のアキラ100%さん(右)

 さらに、「医師から提案がなかった場合、患者や患者家族の立場からどのように相談するか」問われた際には、「先生への伝え方が分からない」と、医師とのコミュニケーションの難しさを語りました。

 セミナーでは、医師に相談する時のポイントとして、①伝えたいことはメモして準備すること(自分の価値観)、②大事なことはメモを取って整理すること(選択肢の整理)、③何度でも相談すること(セカンドオピニオンも1 つの選択肢)、④治療を決めるのはご自身であること(医師や家族と共同で)の4点が紹介され、内藤医師からは、「患者さんからもがん遺伝子検査について話題を切り出していただくことが重要で、必要に応じてセカンドオピニオンを受けていただくのも良いと思う。治療を決めるのは医師ではなく、患者さんご自身であり、納得した治療を受けるために必要なコミュニケーションである」ことが伝えられました。
 バイエル薬品では、「これからもがん治療に役立つ情報を提供してまいります」と話しています。
 なお同社では、情報サイト『オンコロ』と共催して、セミナー登壇した患者さんとは別の方によるがん遺伝子検査の体験談を収載しています。詳細はhttps://oncolo.jp/feature/cgp_experience で。

 近年、個別化医療、特にがん遺伝子検査の重要性が指摘されています。では、こうした情報は患者さんと家族にどう伝えられているのか。父も母もがんで亡くしたこともあって、自身も個別化医療には大変興味を持つ取材してきました。今回のセミナーは、残念ながら参加できず、幸いバイエルホールディングスからのニュースリリースが寄せられましたので、内容を要約して皆さまにお届け致しました。
 それから末筆で、情報サイト『オンコロ』と共催し、セミナー登壇した患者さんとは別の方によるがん遺伝子検査の体験談が収載されているサイトもご紹介いたしましたので、ぜひご覧ください。(文・山本武道)

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