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セルクラウド、がんの再発リスクの早期発見に向け『マイクロCTC検査』サービス公表

1回の採血で血中に流れる悪性度の高いがん細胞を補足

 「たった1回の採血で血中に流れる悪性度の高いがん細胞を補足」―がんリスク検査事業に取り組む株式会社セルクラウドが、がんの再発リスクの早期発見に向けて『マイクロCTC検査』サービスを公表しました。代表取締役の中島謙一郎さんは、「がんの早期発見・早期治療が進み、がんの不安と苦しみがない世の中を目指し、現在、サービスを取り扱う医療機関は86施設ですが、さらに増やす予定です」と話しています。

マイクロCTC検査について発表する代表取締役の中島謙一郎さん

 マイクロCTC検査は、1回5分の採血で血中に漏れ出した悪性度の高い『間葉系のがん細胞』そのものを補足し、その個数まで明示することで全身のがんリスクが明確にわかるサービス。同社では3月1日から応援サイト『Makuake』(https://www.makuake.com/project/micro-ctc/)を通じ、このサービスの先行販売をスタートしました。

 同社CTC検査事業責任者・マイクロCTC先進医療研究所所長で医学博士の太田剛志さんは、「悪性度の高い間葉系のがん細胞とは、浸潤・転移を起こさなければ、がんは部分的に切除も可能ですが、がんが進行すると上皮間葉転換(EMT)によって細胞間接着の強い上皮性がん細胞が、細胞間接着が弱く運動性能が高い間葉系がん細胞の形質を獲得します。EMTが生じることで、がん細胞は間葉系のがん細胞となり、高い運動性を獲得し多臓器への浸潤・転移が引き起こされます。
 マイクロCTC検査は、納得できる全身がん検査を簡単に短時間で受けたい方、がんの再発が心配な方、CT やPET、MRIなどでがんの疑いを指摘された方におすすめしたい」と語るとともに、とくにがんの再発については次のように述べました。

 「従来であれば、がんの手術や抗がん剤治療が終了した後、5年間は再発のチェックのため半年ごとに PETやCT検査を受けることになります。しかし、 PETやCT検査は医療被曝のリスクが伴います。マイクロCTC検査であれば、そのリスクはなく再発リスクの早期発見が可能であり、さらにCTC検査が、再発リスクの早期発見に対しても有効なことが、アメリカのMDアンダーソンがんセンターの研究論文で発表されています」として論文の概要を紹介しました。
<論文の概要>
①治療前、画像上で腫瘍が確認できCT C は陽性、②治療終了後、画像上腫瘍は消失。CTCも陰性、③治療終了6か月後、画像上再発が認められないがCTCが陽性、④CTC陽性の6か月後、画像上でがん再発を確認

 2022年10月にマイクロCTC検査を活用した、がんリスク検査事業に取り組むセルクラウドを立ち上げた代表取締役の中島謙一郎さんのコメントは次の通り。
 「かねてから注目していたリキッドバイオプシーの最先端技術を使い、たった1回の採血だけで全身のがんリスクが明確にわかるという画期的な検査をサービスかできたことは大変嬉しく思います。マイクロCTC検査は、血中に流れる悪性度の高いがん細胞そのものを直接捕捉して、その個数まで明示できますので、提示されたがんリスクに対する圧倒的な納得感があります。

 従来の PETやCT、MRIなどの画像診断で、がんの疑いが見つかった場合、がんの確定診断のためには、生検・病理診断によるがんの組織の特定が必要ですが、肺や内臓の生検はリスクが大きく実施できない場合が多いため、確定診断できないまま(進行するリスクがあるのに)、ずっと様子を見たり、わからないまま切除手術に踏み込むなどの厳しい判断に迫られます。そのような場合でも、マイクロCTC検査は、そのがんの疑いが良性か悪性かの大きな判断材料となるでしょう。また、がん再発の早期発見にもお役立てできると考えております」

 ちなみにマイクロCTC検査サービスの価格は198000円(税込)。新しいものや体験の応援購入サービスを中心とした各種支援サービスの運営、研究開発技術を活かした製品プロデュース支援事業に携わる応援購入サービス『Makuake』を通じて先行販売し、5月8日からオンライン予約受付を開始するそうです。

 がんにかからないようにする一次予防、早期発見・早期治療の二次予防、そして特に転移・再発しないようにする三次予防の需要性を呼び掛けてきた『週刊がん もっといい日』編集部としては、「再発リスクの早期発見が可能であり、さらにCTC検査が再発リスクの早期発見に対しても有効なことが、アメリカのMDアンダーソンがんセンターの研究論文で発表されています」の発表に強い関心をもちました。  多くのがん患者さんと家族のためにも、「再発リスクの早期発見に有効」というマイクロCTC検査サービスの動向を見守りたいと思っています。(取材・文◎山本武道

 

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