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【8月4日】今週の焦点:がん対策基本法施行から15年後の今

全国どこでも同じレベルの医療が受けられる環境整備や、政府が総合的ながん対策として、がん対策推進基本計画の策定を目的に2006年、『がん対策基本法』が制定され翌年4月に施行されてから今年で15年目になります。

当時、がん患者と家族のために創刊された『月刊がん もっといい日』(日本医療情出版)の記者として発行に携わり、『がん対策基本法』成立に向けて立ち上がった国会議員を取材していました。

『がん対策基本法』は、日本人の死因で最も多いがん対策のため国、地方公共団体などの責務を明確にし、基本的施策や対策の推進を定めたものです。

同法は、がんの予防及び早期発見の推進、がん医療の均てん化促進、研究推進などで構成されていますが、そもそも同年の2006年1月24日、当時の公明党代表だった神崎武法衆議院議員が、衆議院本会議で『がん対策基本法』の制定を提唱したことが発端でした。

そして同法の成立が大きく前進したのは、2005年5月22日、民主党の山本孝史参議院議員が参議院本会議で自らのがんを告白、法案の早期成立を訴えたことが始まりです。

山本議員が、2006年5月22日の参議院本会議場で『がん対策基本法』の成立を訴えた議事録の要約(第164回参議院本会議)がありますので以下に紹介します。

「最後に、がん対策法の今国会での成立について、議場の皆さんにお願いをします。日本人の二人に一人はがんにかかる、三人に一人はがんで亡くなるという時代に入っています。乳がんや肝臓がんなどは若い患者も急速に増えています。

今や、がんは最も身近な病気です。しかし、がん治療には地域間格差、施設間格差があって、治療法があるのにもう治らないと言われて見放されたがん難民が日本列島をさまよっています。厚労省もがん対策推進室やがん対策本部を設置しましたが、どのようなレベルでの治療が全国で行われているのか、その実態すら残念ながら把握をしていません。

がん患者は、がんの進行や再発の不安、先のことが考えられないつらさなどと向き合いながら、身体的苦痛や経済的負担に苦しみながらも、新たな治療法の開発に期待を寄せつつ、一日一日を大切に生きています。

私があえて自らがん患者だと申し上げましたのも、がん対策基本法の与党案と民主党案を一本化し、今国会で成立させることが日本の本格的ながん対策の第一歩となると確信するからです。

私は、大学生のときに交通遺児の進学支援と交通事故ゼロを目指してのボランティア活動にかかわって以来、命を守るのが政治家の仕事だと思ってきました。がんも自殺も、ともに救える命が一杯あるのに次々と失われているのは、政治や行政、社会の対応が遅れているからです。  

年間三十万人のがん死亡者、三万人を超える自殺者の命が一人でも多く救われるように、がん対策基本法の今国会での成立に向けて、何とぞ議場の皆様の御理解と御協力をお願いいたします。

総理にも、国会議員のお一人として、この法案の今国会での成立にお力添えをいただけないか御答弁をお願いして、私の質問を終わります」

『がん対策基本法』は2006年6月16日、衆議院本会議で、山本議員の思いは超党派の国会議員によって全会一致で可決し成立しましたが、2007年12月、命を懸け『がん対策基本法』の成立を訴えた山本議員は、残念ながら胸腺で亡くなられました。

同法は、2007年4月に施行されてから15年後の今、がん対策として食事、運動、ストレス解消など、がんリスクを解消する一次予防、早期発見・早期治療の二次予防だが、さらに大切なことは、治療によって症状が全快しても、予後次第で転移や再発するケースが少ないことを把握しなければならなりません。

それには、転移や再発しないための三次予防が需要なことを指摘しておきます。

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