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2023年1月からスタートする電子処方箋を考える

最近、Zoomで取材する機会が増えてきました。ただアナログ生活を長い間続けてきたものにとっては、やはり直接に人と人との触れ合い、交流に暖かさを感じますが、これも時代の流れでしょうか。確かにZoomは便利だし、時間の節約もできるし、何人もの方たちに画面を通じてお会いして話すことが可能ですし、それに、会場が遠方のがんのセミナーへの出席も可能になりましたから、優れものだなと痛感しています。

そうした中、コロナ禍が引き金となりましたが、私たちの日常生活に目を向けると、医療機関でのオンライン診療や薬局・ドラッグストアにおける薬剤師の服薬指導が目立ってきました。

2023年1月からは、これまで紙で発行されていた処方箋が電子化されることを、ご存でしょうか?電子処方箋のメリットの一つは、複数の医療機関・薬局をまたがる過去の薬情報を医師・薬剤師が共有することで、同じ成分の薬をもらうこと(重複投薬)や薬の飲み合わせを防ぐことができ、安心・安全な医療に繋がること、二つ目にはマイナンバーカードを使った様々な行政の手続きやお知らせの確認がオンラインで24時間可能になり、自身の直近の薬情報の確認に結びつき、日常生活における薬関連のリスクを抑えられること、そして三つ目は医師の診療後に発行される処方箋が電子化されるため、簡単に送信でき、オンライン診療なども受けやすくなるという点です。

薬局やドラッグストアでのオンライン服薬指導は、今のところ徐々に増えてきていますが、医療機関でのオンライン診療の実施は、まだ少ないのが現状です。しかし、オンラインを利用した地域住民が、これから「満足した」ケースが増えてくれば普及は足早に増えていくことは間違いありません。

処方箋調剤専門薬局や調剤併設型ドラッグストア、調剤に力を注ぐ中小薬局が応需する処方箋の受け取り料金は、医療機関の門前や敷地内店の処方箋調剤報酬は、それ以外の立地にある店舗とは異なり、また薬の価格によっても差はありますが、一律、値引きはありません。では地域に住む皆様は、医師のオンライン診療を受けた際に、果たして電子処方箋の応需先は、どのような店舗を選ぶでしょうか?これからは、地域住民に対してどのようなメリットを提供してくれるのか。私たちは期待しましょう。

さて今週もまた、皆さまにとって、「もっといい日」でありますように…。

  『週刊がん もっといい日』編集長 山本武道

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