『週刊がん もっといい日』編集部推薦書
徳留信寛著『がん予防取り扱い説明書 習い癖すっきり見直しがん予防』
予防医学、がんの予防、健康増進などの研究に携わる徳留信寛さん著『がん予防取り扱い説明書 習い癖すっきり見直しがん予防』が出版社の株式会社パレードから発行されました。
同書は、がんの現状と動向、がんの種類、がんの要因、1次予防(健康増進・疾病予防)および2次予防(早期発見・早期治療)など、がんに関する様々な情報が盛り込まれ、「がんを誘う生活習慣を避けるか変容して、がん発生を予防するか先送りし、がん検診を受け早期発見・早期治療して、がん死を予防するか先延ばししたい」と著者の徳留さんは、広く国民に呼びかけ、次のように執筆された背景と意図を記しています。
「最近の統計によれば、⼀⽣の間に2⼈に1⼈がんにかかり、4⼈に1⼈がんで死亡します。男⼥とも死因のトップです。がんは普通のおじさん・おばさん、おじいさん・おばあさんの⾝近な病気であり、死因です。他⼈事ではありません。ひと昔前まで、がんは「死に⾄る病」であり、がん予防や治療のことを話すのは気重なことでした。今⽇、⽣存率に⼤幅な改善があり嬉しいかぎりです。しかし、発⽣予防を怠り、がん検診を受けず、⼿遅れになると致命率が⾼い疾病です。
予防は治療に優る。がん誘う⽣活習慣を⾒直し、⾏動変容を⾏うのがよい。すなわち、タバコを⽌め、ほろ酔いかげんとし、ワクチンを接種し、除菌し、抗ウイルス薬を服⽤する。発がん物質への職業性曝露、診断・医療上の頻回・⾼線量の放射線曝露は避ける。バランスよい⾷事を摂り、⾝体を動かしていい汗をかき、肥満、内臓脂肪・異所性脂肪蓄積、2型糖尿病、メタボリック症候群を改善し、睡眠を適切にとり、ウォーキング、ジョギング、太極拳などを楽しみ、ウエイトコントロール、ストレッチングをする。これで6〜7割のがんを予防し先延ばしできます。
以上の1次予防⾏動とともに、前がん・先⾏・併存病変の有無にかかわらず、無症状でも定期的にがん検診(胃がん、⼤腸がん、肺がん、乳がん、⼦宮頸がん、前⽴腺がん)を受診すれば、7〜8割のがん死を回避し、先送りできます。家族性(遺伝性)腫瘍症候群の素因がある⽅は発⽣予防⽣活に加え、若い頃から専⾨医による定期的フォローアップ、カウンセリングを受けましょう。
⻑⽣きだけが⽬的ではありませんが、予防できるがんは予防し、治せるがんは治すとい習い癖・⽣活習慣をリセットして健康寿命を伸ばし、QOLの⾼い⼈⽣をお送りくだされば幸いです」
『週刊がん もっといい日』編集部からみなさまへ。『がん予防取り扱い説明書 習い癖すっきり見直しがん予防』をぜひご一読ください。
<著者略歴>徳留信寛(とくどめ・しんかん):九州大学、佐賀医科大学、名古屋市立大学に勤め、国立健康・栄養研究所で働き、食・運動と健康増進、生活習慣病の予防、職業性肺がん、感染症関連がん、食生活関連がんなどに関する研究に従事してきた。本書は著者のライフワークである。
『がん予防取り扱い説明書 習い癖すっきり見直しがん予防』は六判/並製/200ページ
定価1,000円(本体909円+税10%)。
Paradebooks:https://books.parade.co.jp/category/genre04/978-4-434-30503-0.html
Amazon:https://www.amazon.co.jp/dp/4434305034
(文・山本武道)