がん患者さんと家族のためのWEBサイト

8月18日編集長のメッセージ

 『週刊がん もっといい日』の再開を多くの皆様にお届けしましたが、励ましのお便りを頂戴しうれしく思いました。がん媒体の取材を始めたきっかけは、父と母をがんで亡くしたことからでしたが、父は病院のベッドで、母は自宅で人生の最後を迎えました。

 病院と自宅での介護を体験した私にとって、病院であれば緊急な場合に、即ドクターや看護師さんが病室に駆け付けてくれますし、自宅の場合は、家族と共に暮らすことができますから、どちらが正解であったかはわかりません。

 2000年4月から施行された介護保険制度を契機に創刊された日刊の医療専門紙で、「在宅医療は今」の連載を依頼されたことも、自身の記者生活に大いに役立っています。

 連載を開始してから、ビジネスマンを目指していたものの、身内ががんになったことがきっかけで医師となられた方、阪神・淡路大震災の際にボランティアとして参加した看護師さんは、現地で一人の医師と出逢い、ボランティアナースの組織を立ち上げ、現在は新潟の被災地で活動されています。

 医療の道に進んだ理由は人それぞれですが、私も記者となろうと思ったのではありません。たまたま、誘われて新聞社に入社しましたが、日々、出逢った方たちから話をお聞きするうちに、皆さまは自分のことはともかく社会のため人のために役立ちたいという志を持っていることを知りました。

 そうした体験を経て、がん雑誌、さらに週刊のがんサイト運営に携わってからは、本格的に在宅医療分野に照準を当てて、HIT(HOME INFUSION THERAPHY=家庭における輸液療法)最前線で、多くの医療関係者、ドラッグストアや調剤薬局に勤務する薬剤師さんたちと出逢い、患者さん宅への訪問活動を通じた、患者さんとご家族との触れ合いを聞くにつれて、本当に頭が下がる思いです。

 いつ、いかなるときにも患者さんとドクターから緊急の連絡がくるかもしれないと待機し、休日でも夜中でもことあるごとに駆けつけていた薬剤師さんと、たまたま2回ほど海外視察で同室になりました。

 「在宅医療って、とてもやりがいがありますよ。もちろん調剤室での処方箋調剤と服薬指導、店頭での接客も重要ですが、終末期の患者さん宅で交わす会話は、子供のころ、大学、社会人のころの話であったり、リタイヤしてから夫婦で出かけられた旅行のこと等々、笑顔で話す患者さんが忘れられません」ー視察先でiPADと携帯を離さずチェックされていた光景が、今でも目に焼き付いています。

 人との素晴らしい出逢いですが、それこそ数えきれないでしょう。糸へんに半がついて絆という文字になります。最初は知り合いではなくても、ある日、出逢うことによって絆が生まれてきます。どうか、『週刊がん もっといい日』を通じ、たくさんの方が出逢てできた絆の輪が広がり、ネットワークが生まれることを期待しております。

 さて今週もまた、皆様にとって「もっといい日」でありますように・・・。

              『週刊がん もっといい日』編集長 山本武道

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