『万葉びとの長寿食』『長寿村の100歳食』『長寿食365』等々、100冊近くの書を執筆された食文化研究家、日本人の長寿食研究家の永山久夫さんが、今年1月から始まったNHK大河ドラマ『光る君へ』の主人公の食生活をまとめた書『紫式部ごはんで若返る: 平安時代の食事は健康長寿食』が出版されました。
テレビやラジオにも出演し活躍する永山さんは91歳。長寿の秘訣は平安時代食にあったことを紹介したもので、同書の前書きには、次のような一文が紹介されています。
「多才で美しい平安の女性たちは、山盛りご飯を平らげ、おやつにも小麦粉などの粉で作った唐菓子をしっかりと食べていました。現代人とは全く逆の食生活。平安時代の女性たちは、穀物の炭水化物をしっかりと食べて脳の機能を向上させ、小説や詩の面白い筋書を練り上げていたのです」
同書の内容は以下の通りで、第9章では『紫式部ご飯は、私たちに何を教えてくれている?』と題して、永山さんと早稲田大学ナノ・ライフ創新研究機構ヘルスフード科学部門部門長の矢澤一良さん、同部門研究院講師の高見澤菜穂子さんの鼎談が盛り込まれていて、“才女たちの活躍を支えた平安時代の天才食”“平安時代は日本人の食文化の原点”“健康時代に欠かせない賢い食の選択”“おやつは平安時代のコミュニケーションツール”“胡豆魚鳥蒜根(ごまさかとりにこん)が若返り食のキーワード“など、現代にも生きる平安時代の健康的な食生活への応用について語り合っています。
「91歳になりましたが、頭を衰えさせず活性化して仕事を続けていきたいと考えています。上手な食生活で皆さん長生きして幸せになりましょう」と語る永山さんは、「現代人も、なるべく薬や医療に頼らないようにしながら、自力の長寿力を身につけるべきではないでしょうか」とも呼びかけています。
同書は、市場調査とコンサルティングのシード・プランニング(梅田佳夫代表取締役社長)の創立40周年を記念し発行されました。発売元は現代書林。1650円(本体1500円)。
<書籍の内容>
◇第一章 紫式部ごはんは平安時代の天才食
◇第二章 紫式部ごはんは平安時代の健康食・美容食
◇第三章 小野小町の金を惜しまぬ美容食
◇第四章 清少納言は自然派グルメで長生き
◇第五章 和泉式部は味醤を食べながら激しい恋をした
◇第六章 在原業平と共寝に焦れる老女は枸杞を食う
◇第七章 尾張浜主は発芽玄米ごはんを好み 百十四歳で創作舞踏を舞う
◇第八章 王朝びとの「スーパー長寿食」
◇第九章 「紫式部ごはん」は、私たちに何を教えてくれている? (鼎談)