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9月22日 編集長からのメッセージ

日本有数の長寿地区の高齢者たちの食生活は食物繊維タップリの腸活食品!

 『週刊がん もっといい日』編集部では、これまで何度も日本有数の長寿地区レポートを紹介してきました。その長寿地区の高齢者たちが食べてきた長寿食が、近年、話題の腸活食品として再びクローズ・アップされています。そこで編集部では、コロナ感染に気を付けながら長寿地区を訪れることにしました。長寿地区とは、棡原(ゆづりはら)のことで、私自身、20数年にわたり取材を兼ねて現地の高齢者たちと交流してきましたが、やっと再会できそうです。

棡原は、都心から車で1時間半余りの地に位置するのが特徴です。JRで行くのであれば上野原駅で下車し、そこから本数の少ないバスに乗るか、直接自家用車で行くか、あるいはレンタカーを借りるか。いずれにしても、上野原から車で行くためには、山岳地帯(といっても高い山ではない)の入口、鶴川に架かる橋を渡った右手にある石碑が長寿地区へのスタート地点です。

石碑を起点として、さらに進むと右手に長寿館が見えてきます。長寿館の正面左手に、やはり石碑があります。この石碑には天皇陛下(現上皇さま)と皇后陛下(現上皇后さま)が来所された記念に建立されたものです。館内には、お二人がこの地を訪問された際に、高齢者たちが笑顔で迎える写真がたくさん飾られているほか、二階には長寿地区研究家として知られ、棡原に診療所を開院し高齢者たちを診察してきた古守豊輔医師(故人)の著書などをまとめた書架があります。

 この長寿館を後に、さら車を走らせること5分ほどの三差路の右手の高台にある棡原中学校前を左折し、曲がりくねった道路を進むと、やがて右手に『梅鶯荘』の看板が見えてきます。この『梅鶯荘』では、長寿の高齢者たちが代々受け継いできた伝統食=長寿食が食べられるので、かつては観光バスに乗ってたくさんの人たちが来ていました。NHKなどのテレビ番組で再三取り上げられたこともあって、土・日曜日は多くの観光客で賑わっていましたが、近年では知る人ぞ知る―そんな人たちが訪れています。

 では、どのような食事なのでしょうか。棡原地区の高齢者たちは、ヒエ、あわ、麦、トウモロコシなどをまぜた、今でいう五穀米、十穀米を主食として、この地でとれた里芋、皮のついたままのジャガイモを油で炒めたセイダノタマジ、手作りのこんにゃく、ふき、麦をペースト状にして炊いたオバク、てんぷら、手作り味噌で煮たうどんのホウトウ、そして仕上げは甘みが少ない酒まんじゅう・・・を食べてきました。まさに食物繊維タップリの腸活食品です。

 地元の高齢者たちは、「便秘したことはねえよ。毎日お腹の具合は、とてもはいいよ」と話してくれましたが、ビフィズス菌研究の第一人者の光岡知足農学博士(故人)が、ある地区の高齢者施設に住む高齢者、40歳代、そして棡原地区の高齢者たちの便を採取して、体内に棲む体に悪さをする悪玉菌(ウエルシ菌など)と良い働きをする善玉菌の状態を調べたところ、棡原地区の高齢者と40歳代の便には、ウエルシ菌が少なくビフィズス菌が多かった反面、ある地区の高者施設の高齢者たちの便からは悪玉菌が多く発見されました。

 棡原地区に住む高齢者たちの腸の状態がよく、便秘しないのが、日常生活で口にする食品がビフィズス菌のエサの食物繊維をタップリと食べてきたからであることがわかったのでした。この長寿食を食べるには、『梅鶯荘』に連絡し予約をすれば、美味しい長寿食が食べられるというわけです。棡原食べログレポートは、いずれ紹介させていただきます。

 さて今週もまた、皆さまにとって「もっといい日」でありますように・・・。

『週刊がん もっといい日』編集長 山本武道

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