がん患者さんが、抗がん剤の副作用で頭髪が抜けたり爪が変形したりする外見上の悩みに対するアピアランスケア・ニーズが増えています。厚労省も、ケアの拠点づくりや担当者の教育等々に取り組んでいますが、10 万人に及ぶ薬剤師が所属する日本薬剤師会(日薬)の岩月 進会長が、アピアランスケアに関わる薬局・薬剤師の役割について語った内容が、日刊の『ドラッグストアジャーナル』に掲載されましたので、ご紹介しましょう。
日薬は、医療機関から発行された処方箋を調剤する医薬分業の推進や OTC薬の普及・啓発、在宅医療等々…地域の“健康ステーション”として活動していますが、岩月会長はアピアランスケアについて編集部の質問について以下のように述べられました。
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―― 最近、がんなどに罹患された⽅たちが、例えば乳がんで乳房を全摘したり、抗がん剤の副作⽤で頭髪が抜けたり⽖が変形したり、顔⾊も悪くなるなど、患者さんは外⾒状の悩みを抱えておられます。こうしたアピアランスケアを担う拠点として、薬局・薬剤師の役割は⼤きいと思いますが…。
岩⽉ 現状では、アピアランスケアに関する業務に取り組む専⾨知識のある薬剤師が少ないので、即取り組めるということにはならないと思っています。ただ薬局は、地域の健康拠点ですから、アピアランスケアに関しては、相談があれば⾃店に専⾨の薬剤師が常駐していなくても、ケアに対する専⾨家と常に連絡がとれることが必要になるでしょう。
薬局は、地域の“健康ステーション”でもありますが、同時に地域の“ハブステーション”でもありますから、アピアランスケアの相談に対応するには、専⾨家と連携していくことす
「アピアランスケアの相談は、当薬局には専⾨スタッフがおりませんので、専⾨家の連絡先は、当薬局へ来ていただければご紹介させていただきます」―薬局における⽇々の多くの相談事例の中で、アピアランスケアも項⽬に加えるべきです。
電話帳がなくなりましたので、連絡先を調べるのは難しいですし、ネットから情報を取ろうと思っても、 ⾼齢者の中には不得意の⽅もおられますから、そういう意味では、薬局を拠点として使っていただくためにも、薬局は専⾨家とのネットワークを構築しておくべきです。
ちなみに当薬局では、管理栄養⼠さんと連携が取れるようになっておりますし、介護の業務もしていますので、必要に応じて住宅の改修等々、いろいろな職業の⽅たちとも交流しておりますから、いろいろな⽅をご紹介できます。薬局は、商品だけを提供しているのではなく、薬悩み事をお聞きして、お答えすることこそ仕事の本質ですし、地域の健康に関するハブの機能があれば、多職種が連携することによって、がん患者さんのアピアランスケアニーズにもお応えできると思っております」
岩月会長は、「国⺠の間に、⾃分の体を⾃分で守る、いわゆるセルフケア、セルフメディケーションですが、もっと普及していかなればならないでしょう。そのための普及の窓⼝として、薬局・薬剤師は⾮常に重要な役割を担っています」と話されていました。
今、ヘルスケアという言葉が重重視されるようになりました。自らの体は自らが守るという意味ですが、“町のお薬屋さん”としての薬局やドラッグストアを上手に利用しましょう。(山本武道記)