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産科医が講師として招かれたセミナーで子宮頸がんの発症要因や予防の必要性を学びました

 『週刊がん もっといい日』をご愛読していただいております皆さま、このところ東京は雨が降り風も強く、夕方になると寒い日が続いておりましたが、いかがお過ごしですか。
 さて4月9日は“子宮の日”でしたが、産科医が講師として招かれ開催されたセミナーで、子宮頸がんの発症要因や予防の必要性を学びました。詳細は、当サイトの今週の焦点(https://weekly-gan.com/975/)で紹介させていただきましたので参照ください。
 講演は、婦人科医で産業医としても活躍する一般財団法人京都工場保健会総合センター婦人科健診部長の長谷川暢子さん(女性医学研究センター長)が、子宮頸がん検診の受診率は諸外国と比べて低いこと。未受診の理由の多くが、恥ずかしい、忙しいから検診を受ける時間がないなど検診自体に抵抗感があることから、子宮頸がんを引き起こす高リスク型HPV感染への有無がわかる自己採取HPV検査キットによる検診のきっかけづくりや検診率アップの重要性を指摘されました。
 注目すべきは、長谷川医師が事例として取り上げたオーストラリアの子宮頸がんの予防施策のことでした。2007年にHPVワクチンを定期接種化し、6年後の2013年には男子にもワクチン接種を拡大、2017年12月に検診方法を、細胞診からHPV単独検査(検診間隔を2年→5年に延長)にしたことによって、「子宮頸がんは、2020年には稀ながんとなり、2034年には子宮頚がんで亡くなる人は、ほぼいなくなると推計されており、オーストラリアは子宮頸がん撲滅が見えてきました」と話されたことです。
 日本では、自らの健康は自らが守る重要性が指摘されセルフケア・ニーズが高まり、がんのリスクチェック用品の普及が始まっていますが、長谷川医師は未受診者対策として実績のある自己HPV検査キットによるリスクチェックで、定期的な子宮頸がん検診を受診する必要性を強調。「子宮頸がんはワクチンでHPV感染を防ぐ一次予防、子宮頸がん検診で、がんになる前に発見する二次予防、つまりワクチンと検診で予防できます」と話されていました。
 そして子宮頸がんは、女性だけでなく男性も関心を持ち、オーストラリアのようにHPVワクチンを定期接種化することが必要なことを再認識した次第です。家庭で自らがHPV検査キットを使用してリスクチェックすることが、子宮頸がんの検診へのきっかけとなり前がん病変を発見に結びつくと思いました。
 子宮頸がんHPV検査キットに関わる情報は、以下を参照ください。
https://www.health.ne.jp/selcheck/papia/index.html

 さて今週もまた、皆さまにとって「もっといい日」でありますように・・・。
             『週刊がん もっといい日』編集長・山本武道

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