「誰もが健康で幸せな生活実現のために」-全国に約2万店のドラッグストアは、医薬品や化粧品、処方箋調剤、健康チェック機器、園芸用品、日常生活品、食品等々を取り扱い街のヘルスケアステーションとしての道を歩み、8兆円産業を形成するまでに成長しました。
近年では人工肛門や人工膀胱を造設したオストメイト対応のトイレや、心停止状態にある人を救命するAED(自動体外式除細動器)を導入したドラッグストア、抗がん剤の副作用で頭髪が抜けた際の医療用ウイッグ、乳がんを切除した際の人工乳房、矯正下着などを取り揃えた、がん患者のためのケアコーナーを開設したドラッグストアが、地域住民の健康生活をサポートしています。
そうしたなか、つい最近、東京・目黒のドラッグストア(トモズ池尻大橋店)店内に、管理栄養士と健康管理を行える有料会員プログラム『トモズ健康くらぶ』、 睡眠状態をデータ化・可視化する『ねむりの窓口』とともに、 がんの基礎知識が学べる『みんなのがん学校』が登場しました。「今後もより多くのお客さまの健康をサポートできるサービスを充実させ、『みんなのがん学校』はトモズ各店舗へ導入・拡大していきます」(関東を中心に調剤併設ドラッグストアを運営するトモズの徳廣英之代表取締役社長)
『みんなのがん学校』は、製薬メーカーのノバルティスファーマと保険薬局などを運営するマイライフが共同開発し、10月7日にトモズ池尻大橋店に開設されました。コーナーに専用のパネル式機材を設置し、クイズ形式、がんの基礎的な知識について無料で楽しく学べるもので、「がんにかかわる情報の提供を通じ、来店客のがん検診受診の普及・向上に結びつけられるドラッグストアの新しい機能」として注目されることは間違いありません。トモズの試みは、がん患者さんを持つ家族だけでなく、健常な地域住民にがん検診が、より広く普及されることを望んできた一人として大歓迎です。
ドラッグストアは、物販だけでなく国民の健康創造へ高まるヘルスケア・ニーズに対応した関連用品を取り揃えるだけでなく、社会貢献への活動が目立ってきています。これからのドラッグストアは、がんをはじめさまざまな予防にかかわる相談の場としての機能が重視されているだけに、ヘルスケアステーションとしてのドラッグストアに期待しましょう。 さて今週もまた、皆さまにとって「もっといい日」でありますように・・・。 『週刊がん もっといい日』編集長 山本武道