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昨年11月、グルジアの長寿研究者から届いた一通のメールのこと

 『週刊がん もっといい日』の愛読者の皆さま、新年おめでとうございます。2024年はどのような1年だったでしょうか。毎年、多くの方と出会い、そして新しい交流が始まります。しかし残念ながら記憶は、年月が経つにつれ“忘却の彼方”という言葉のように頭の中から消失してしまうケースは少なくありません。と同時に、日々、自分の知らない方からのメールが飛び込んだりもします。

 昨年の11月13日のことでした。突然、グルジア共和国の長寿研究者だという方からメールが届きました。私は、通常、見ず知らずの方からのメールは見ないことにしておりますが、グルジア共和国は世界有数の長寿地区の一つでもありますし、長寿研究で知られる森下敬一博士のことが記されていましたので、最後までメールを拝見しました。

 森下博士には、何度も東京・文京区に開業されていたお茶の水クリニックを訪問し、取材をさせていただいてきました。博士から聞く世界の長寿地区の講演は、私にとっても有意義な内容であり、後に我が国有数の“長寿の故郷”であるゆづり原を取材するようになってから、日常の食生活が重要であることを知った次第です。

 グルジア共和国の学者からのメールには、森下医師との交流のことが記され、「近々日本を訪問するので、その際に森下博士の墓参りをしたいので、自分が知る限りの方達にメールを送信したが、回答はゼロだった」とも綴られていました。なぜ私にメールが届いたのかわかりませんが、後ろ髪を引かれる思いで返信しました。

 「私は長年にわたり、老化と長寿について非常に具体的な考えを持った非常に興味深い人物、国際自然医学協会会長の森下敬一博士と交流を持ってきました。彼は日本で非常に人気がありました。彼は多くのイベントを主催し、多くの本の編集などを行いました。 昨年(2023年)、森下先生が亡くなったとの情報を聞いた時はとても残念に思いました」

 そんなことから、私もいろいろと関係者にあたってみましたが、結局わかりませんでした。その後、グルジアからの訪問者は12月に来日し関係者を探したそうですが、見つからず帰国されました。

 たった1通のメールでしたが、見ず知らずの私を頼ってこられた学者のことを思うと、「なんとかしたい」とは思いましたが、残念ながら来日中に関係者をご紹介することはできませんでした。
さて今年も皆さまにとって、「もっといい年でありますように…」。
『週刊がん もっといい日』編集長 山本武道

 

 
 
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