HIROTSUバイオサイエンスが早期すい臓がん検査『N-NOSE® plus すい臓』の発表会を開催
株式会社HIROTSUバイオサイエンスは、2022年11月17日に新サービスの早期すい臓がん検査『N-NOSE plus すい臓』の発表会を開催しました。当日はプレゼンテーション後に、「N-NOSE」を誰よりも多く受けているつんく♂さん(音楽家)、がん検査に苦手意識を持つヒロミさん(タレント)、「N-NOSE plusすい臓」の新CMに出演している俳優の山本耕史さんが登壇。トークセッションを通して「早期に検査を受けることの大切さ」を訴えました。そこで、同社のニュースリリースからイベントの概要を紹介します。
■ゲスト:ヒロミさん(タレント)、つんく♂さん(音楽家)、山本耕史さん(俳優)
■登壇者:石井秀始(大阪大学大学院 医学研究科 疾患データサイエンス学共同研究講座 特任教授 常勤)/広津崇亮(HIROTSUバイオサイエンス 代表取締役)/鈴木彬(HIROTSUバイオサイエンス執行役員COO)/Eric di Luccio(HIROTSUバイオサイエンス 執行役員 CTO)
■登壇者による「N-NOSE plus すい臓」に関するプレゼンテーション概要
◇科学者としての夢が、一つ達成できました
「N-NOSE®」の次世代型がん種特定検査の実用化は当社最大のミッションでした。「早期すい臓がん検査ができれば革命的」と医学界から言われてきました。それが生物の優れたセンシング能力を使う発想とバイオテクノロジーの融合によって実現できました。尿だけでがん種特定まで可能にしたこの検査を、日本のみならず世界へ拡げ、一人でも多くの命が助かる未来を創造します。(広津崇亮さん)
◇当社の事業スケールアップ・研究の未来
当社は2026年までにN-NOSE利用者1000万人を目指し、「N-NOSE® plus すい臓」リリースを皮切りに、他部位のがん種特定検査の研究開発も一気に進めてまいります。(鈴木彬さん)/線虫のすい臓がんの匂いに対応する嗅覚受容体をノックダウンすると、走性行動が明らかに変化します。技術応用により2023年には肝臓がん特定検査の実用化を目指します。(Eric di Luccioさん)
◇早期すい臓がん検査の社会的意義と期待
HIROTSUバイオサイエンスとの共同研究に携わった大阪大学大学院医学系研究科の石井秀始特任教授(常勤 疾患データサイエンス学) が、早期すい臓がん検査の社会意義と期待について発表しました。
■3名のセレブリティによる「がん」と「N-NOSE plus すい臓」に対する考えについて
発表会の後半では、ゲストのヒロミさんとつんく♂さんが先ず登場。つんく♂さんが2014年に経験した喉頭がんの体験談をお話しすると、がん検査を受けることに対し消極的だったヒロミさんは向き合うことの重要性を改めて再確認しました。
新CMの紹介を挟み、俳優の山本耕史さんも登場。3名は「N-NOSE plus すい臓」の価値、そして早期に検査を受けることの大切さについての理解を深め、当検査を利用することを宣言しました。
本イベント出演のため、特別にハワイから来日されたつんく♂さん。総合エンタテインメントプロデューサーとして活躍する日々を送られていますが、2014年に喉頭がんを患い、闘病生活を送られたご経験をお持ちです。
「いつ検査をしたら影響が少ないかなあって考えてしまいますよね。連続して仕事が入っていると(中略)タイミング的に先延ばしになったりするものです」と、当時を振り返りました。「今も日本に来るとできるだけ、採尿して検査をしています。ハワイにも是非研究室を作ってください!」とこれまで70回以上N-NOSEを受検してきた、愛用者ならではのコメントを寄せていただきました。
つんく♂さんの経験談を聞いたヒロミさんは「調べるのに病院に行く時間もかかったり、ちょっとめんどくさがってる部分はありましたけど、これは本当に簡単だし、これを知ったからにはやらずにはいられない!」と、「N-NOSE」に対する率直な印象を語られました。
「N-NOSE plus すい臓」のCM紹介後、CMに出演された山本耕史さんが登場。3名に「誰のためにN-NOSEを受けますか」と質問すると、ヒロミさんは「ママ」、つんく♂さんは「家族、自分、仲間、社会、未来」と回答。山本さんは「家族」と回答されました。
「うちのママのためにというか受けないといけないと思いますし、ママだけは、ああいう感じなので(笑)」(ヒロミさん)
「自分が楽しく生きるためにも、家族の笑顔を守るためにも、そして、未来を生きていくみなさんのためにもたくさんの線虫のデータを残していく。大事だと思います」(つんく♂さん)
「家族がいて自分がいて助けてもらったところもあるし、もちろん僕が支えになっていかないといけない部分もあるので、どんどんそういう検査は進んで自分からやる。みんながこういうのをちょっとやってみようかなという感覚で取り組んでくれたら未来も変わるじゃないかなと思います。」(山本さん)
“N-NOSEを受検することは、支えるべき大切な誰かのため“ という、あたたかな想いが伝わってくるトークセッションでした。
■「N-NOSE® plus すい臓」について:すい臓がんの匂いに特異的な反応を示す “特殊線虫“ を用いた世界初の早期すい臓がん検査。N-NOSE®の次世代型 “がん種特定検査” の第1号として開発された。N-NOSEと同様、自宅から尿を送るだけで結果がわかる検査キットとして2022年11月17日から予約販売を開始中。「N-NOSE plus すい臓」サービスサイト→ https://lp.n-nose.com/suizou/
■関連リリース:2022年11月17日付リリース新サービス http://bit.ly/3hEgQ95
/2022年11月17日付リリース新CM http://bit.ly/3UKJDaG
<会社概要>代表取締役:広津崇亮/設立年月:2016年8月/主な事業内容:線虫および線虫嗅覚センサーを利用したがん検査の研究・開発・販売/コーポレートサイト: https://hbio.jp/
白血病を含むがんの新規創薬へ、前進千葉大学大学院医学研究院チーム、エピゲノム酵素がミトコンドリアの呼吸制御に関わるメカニズムを解明
千葉大学大学院医学研究院の星居孝之講師、医学部医学科5年の菊地創太、大学院医学研究院の金田篤志教授らの研究チームは、蛋白質の分解を誘導する技術を駆使し、急性骨髄性白血病細胞の核内にあるヒストンメチル化酵素であるSETD1Aを分解すると、白血病細胞が死滅することを確認しました。またさらに詳しい解析により、SETD1Aがミトコンドリアの呼吸を制御するメカニズムを明らかにしました。
同研究成果は、2022年11月30日(日本時間)に科学誌『Cell Reports』でオンライン公開されました。同チームによる研究成果のポイントは次の通り。
(1)急性骨髄性白血病は血液がんの一種で、骨髄中の白血球に分化する途中の未熟な細胞に異常が生じて、がん化した白血病細胞が異常に増える病気です。他の白血病に比べ進行が早く、再発の可能性も高いため革新的な分子標的薬の開発が期待されています。
(2)本研究では、SETD1Aというヒストンメチル化酵素が、遺伝子発現を介したミトコンドリアの機能制御によって、より直接的にがん細胞の増殖や生存に関わることを明らかにしました。
(3)今後は、SETD1Aの異常を示す疾患や白血病やがんなど、ミトコンドリア異常と関連が深い疾患の新たな治療法の確立につながることが期待されます。
■研究の詳細は以下を参照
https://www.chibau.ac.jp/general/publicity/press/files/2022/20221130_1.pdf
京都大学とPSS、「がんの診断・治療に関わる細胞を血液中から高速・高精度で分離・解析する全自動システムの開発を目指す」共同研究契約締結
国立大学法人京都大と遺伝子検査装置の製造・販売を主力事業とするプレシジョン・システム・サイエンス(PSS)は、11月10日に末梢血PBMC・目的細胞の自動分離装置開発に関する共同研究契約の締結を公表しました。
京都大学とPSSは、それぞれの持つ知見や技術、ノウハウを融合して、近年がん領域の臨床研究で注目されている体液や組織中に存在する免疫細胞、診断・治療に有用な目的細胞や生体分子を高品質で効率的に全自動で単離するシステム開発の共同研究を行うもの。
共同研究は、医療、臨床施設で研究領域から診断(リキッドバイオプシー)、さらには治療領域での幅広い利用を実現し、微妙で高度な技術が要求される細胞処理工程の迅速、正確な自動化を目指すもの。
免疫細胞やがん細胞、目的細胞及び生体分子を、研究、臨床の目的に合わせて合理的に取り出すことができれば、それぞれの分野における大きな成果が期待でき、しかも細胞や生体分子の持つ情報や機能を有効に活用する全自動システムの開発は、次世代医療につながる道を拓いていけるものと期待されています。